歪曲コミュニケーション

第3話 牧村真樹②


←前の話 TOPに戻る 目次 次の話→

 電車から駅のホームへ怒涛の様に人があふれる。時刻はAM7:30、西秋中私立高等学校の最寄り駅となる国分寺駅で武智と牧村はサラリーマンの波に押し出されながらホームへと降りる。ホームの最後尾から改札へと向かう流れから外れて佇む。車掌が発車の合図をして電車が動く。それは、ラッシュアワーの束の間の空白。人気のないホームの端で牧村と武智の間に微妙な空気が流れる中、おもむろに牧村が武智の袖をくいっと引っ張る。

「ねぇ、光博、ちょっと前に立ってて、……直すから」

 恥ずかしそうに俯く牧村を見て、武智はそういえばブラのホック外したっけ、と思い当たり牧村の前に立つ。牧村はそれを確認するとブラウスのボタンを半分ほど外すと手早く脇にずれたブラを直し、服装を整えた。

「……あー、真樹、怒ってる?」

 少しやり過ぎたかと、武智は恐る恐る牧村の表情を鑑みる。武智は感情的になり自分の性癖を制御できなかったことを少し後悔していた。この発言が牧村に対する謝罪の念からでは無いところが、武智光博はどこかが壊れている、と評した所以である。

「…………」

 対する牧村は無言である。今彼女の中でどういった思考が渦巻いているかは武智には知る由も無い。武智が分かることといえば、牧村が服装を整え終わったことと、その動作の合間に見えた乳首がまだしっかりと勃起していたことぐらいであった。

 一方牧村の心中は様々な葛藤が渦巻いていた。牧村の性知識は同年代と比べて平均的な部類に入るであろう。いや、春休みに男子バレー部キャプテンの中田浩二と付き合うことになり、二度目のデートで処女を散らし、その後4月の今まで2回ほど中田と性行為を及んでいる今、少しだけ彼女の経験値は溜まっていたかもしれなかった。武智光博は浮ついた噂はいくつかあるが、特定の彼女はいないことを付き合いが深い牧村は知っている。そういった意味で、牧村は武智に対して無意識に心情的に優位な立場に立っていると思っていたのかもしれない。

 だが、実際はとんでもなかった。もう中田浩二に何回か揉まれて吸われた牧村の胸。彼の愛撫が子供だましと思えるほどに、武智光博の指使いは牧村にとって蠱惑的で、そして理不尽な気持ちよさだった。牧村は自分の乳首があんなに硬く凝り固まるなんて知らなかった。そう、たかが乳首を撫でられただけで体中がじーんと痺れる感覚なんて、知らなかったのだ。触ってもいない股間が歩く度にくちゅくちゅ言うまで潤うなんて思っても見なかったのだ。

 ――あんな、エッチな顔を自分がしているとは思わなかったのだ。

 牧村は思う。武智は怒っているかといった。当然である。牧村は怒っていた。武智にではなく、自分にである。こんなに気持ちがいいことを知らなかった自分に、いとも容易く感じる体にされてしまった自分に。

 ――されてしまった。

 そうなのだ、牧村の胸は武智光博により正に今開発されてしまった、作り変えられてしまった。彼氏でもない男に、乳首をこしゅこしゅ弄ばれて、股間をぬちぬちとさせてしまう様に変えられてしまった。そんな屈辱と怒りがふつふつと牧村の中で渦巻いている。

 ごくん、と牧村の喉が鳴る。
 今も硬く勃起している彼女の両乳首が叫んでいる。

 ――それを差し引いても、すごく、よかったと。

 駅からでて朝の街を武智と牧村は会話も無く歩いていたが、牧村の方からおずおずと、武智へ話しかける。

「……で……いの」

 武智は牧村の声がよく聞き取れず、ん? と、聞き返す。

「……なんで、あんなに上手いのよ?」

 自分への怒りと快感への葛藤と羞恥心。様々な感情がごちゃまぜになって口に出た言葉がそれだった。

「なんでって言われてもなぁ……」

 武智は右手をわさわさとさせて視線を落とす。

「ちょ、その動きやめて、……なんかムズムズする」

 牧村は武智の指先に、ぞくりと悪寒を感じて反射的に胸を庇う。
 そして少し躊躇いがちに口を開いた牧村から出てきた言葉は、意外なものであった。

「か、佳奈美先輩と……、いっぱいエッチしてるから?」

 武智は眉をしかめる。――神田佳奈美、その名前がここで出てくるとは思っていなかったからだ。神田弘蔵りじちょうの娘にして奔放少女。男ウケはとことん良いが、彼氏持ちの女子にはすこぶる評判が悪い。おそらく西秋中高校でもっとも男子生徒に夜のオカズにされている回数ナンバーワン。容姿端麗、頭脳明晰、正確はかなりやんちゃなのだが、それが返って生徒たちに受け入れられている。武智光博と神田佳奈美が出会ったのはは彼が中学3年生、彼女が高校1年生の3月。

 神田佳奈美はほぼ1年前にとある事件で武智と知り合い、神田弘蔵が武智光博のスポンサーとなるきっかけとなった人物である。その折、神田佳奈美は武智光博を偉く気に入り、学校で見かけては、ひろくんひろくんと、抱きついて少々過激なスキンシップを取っているのだ。

「ひろくんの家のお風呂って結構広いよねー、こんど二人で洗いっこしよう!!」

 などと、神田佳奈美が武智光博に後ろから抱きつきながら、入学当初、1年生の教室にいきなり乱入し、そんなことを宣った事件は西秋中私立高等学校の童貞男子生徒にとってトラウマとして今も息づいている。といっても神田佳奈美はかなりはっちゃけた性格且つ、彼氏を短期間で何度も変える性質たちなので、武智光博は、単に彼女の玩具ペットということで生徒からの評価は落ち着いている。実際武智は神田佳奈美に筆下ろしもしてもらっているし、そこそこ濃厚な肉体関係ももっているのだが。

 だがしかし、武智光博と神田佳奈美という二人を結びつけているのは、そんな表面上の付き合いではない。神田佳奈美、彼女も、人のモノが好きなのだ――。武智光博と同じく、神田佳奈美もどこかしらぶっ飛んでいる。今は詳しい説明は避けるが、父である神田弘蔵はそんな娘の性質に気づき、武智をあてがい制御することにした。武智はその代わりに今の生活を弘蔵に世話してもらった。そんな利害の一致の成れの果てが武智の現状である。

「――そう言われてもな、真樹こそ中田先輩とやりまくってるんじゃねーの、あの人1年のころからお前のこと好きだったらしいし」

 と、武智がいうと、

「――な、その、や――、……てないとは言わないけどさ……、でも……」
「でも?」
「……まだ、3回しか……してないし、……あんまよくなかったし……、って私は何いってんだ、ナシナシ、忘れて光博、この話なし!! ――いいね?」

 牧村は顔を紅潮させながら、なに言ってんだ私はーと、わたわたと手をバタつかせる。そんな二人の前に、西多摩郡よりの西東京という微妙な位置だからこそ実現できた広大な敷地を持つ学校が見えてきた。

 校門をくぐり教室へ向かう武智と牧村。大抵の部活の朝練はAM6:30~AM7:00の間に始まっている。今はAM7:40。すれ違うのは同じ日直の生徒達だ。二人は教室の扉を開け自分たちの机に荷物を置く。当然教室の中は武智と牧村だけである。

「んじゃ、さっさと準備やっちまおうぜ」

 そんな武智の言葉に、牧村は逡巡した。正直なところ、牧村は心の何処かで期待していたのだ。誰もいない朝の教室、そして電車の中でスマホに撮られた牧村の動画。もしかしたら、と牧村は期待してた。スマホの動画を餌に、また武智が自分の体を弄ってくれないかと。密かに、乳首を硬くして期待していたのだ。

「……ちょ光博、そういえば、さっきの動画、消しなさいよ」

 それは反射的に出てしまった言葉だった。だが牧村はそれでいいと思った。ここまでお膳立てしたのだ。当然武智は――

「――おぅ、わりぃ。俺も調子に乗りすぎた。ほい、削除な」

 ピ、と武智は牧村にスマホを向けて動画を削除した。牧村は、それに対して何も言えなかった。実に彼女にとって拍子抜けであった。もしかしたら空き教室で手をつかさせれ後ろから挿入なんて想像をしてしまったことは牧村真樹一生の汚点である。

 教室のプロジェクターをはじめとするAV機器の点灯、備品倉庫からチョークの補充。ホームルームで使用する資料の受け取り。教壇やら黒板消しやらの清掃。武智と牧村は手慣れた手つきで日直当番をこなしていく。

「真樹ぃ―、ちょっとこれ部室持って行ってくんね?」
「えー、これ光博のカバンじゃーん、しーごーとーがーいー」
「いいじゃん、後やっとくからさ、ああ、部室の冷蔵庫勝手に開けていいから、8:00には終わるべ、ゆっくりしてろよ、ほら鍵」

 武智がポケットから鍵束を出し牧村へ放り投げる。

「えっへっへーそれなら引き受けてしんぜよー。――あ、午後ティーある?」
「あれは俺の午後の楽しみだ。しかも午前で飲むなんて論外だな、おーいお茶なら箱であるからそっちにしとけ」

 牧村は鍵を受け取ると武智のかばんを持って元気よく教室をでて、

「前向きにゼンショって奴しとくー」

 と、部室へと走って行った。
 部室というのは新聞部室。武智光博とその友人たちの学校公認の溜まり場である。


 時刻はAM8:05予鈴が鳴るのはAM8:20、ホームルームはAM8:30~8:45である。牧村真樹は新聞部の部室に入り、寛いでいた。その手にはもちろん午後ティー(ミルク)である。ごく一部の生徒しか知らないことであるが新聞部室は無駄に広い。そしてなぜか機材が充実している。冷蔵庫もある。実はテレビ線も繋がっていてケーブルテレビやBSまで完備。おまけに奥には仮眠スペースまである。これは武智の新聞部としての功績と神田弘蔵の意図によるものだがそれは後述しよう。

 そんな部室で一人、牧村真樹は応接用のソファに腰掛け一息ついていた。未だに乳首や股間は疼いている。下着は湿ってしまって少し気持ちが悪かった。牧村は電車の中の甘美な感覚を思い出す。自然と指が胸と股間へ伸びていく。ショーツの中身はしっとり濡れていて、ブラの中ではあいも変わらず乳首が硬くなっている。だから、そんな牧村真樹が誰もいないこの環境下で、自然と股間に手を伸ばすのも致し方ないことである。

「……あっ……あっ♡」

 くちゅくちゅ、くちゅくちゅ、と牧村の股間から水音が立つ。ぎゅっと胸を揉み込むと、あの電車で感じた感覚が蘇る。

「……ん♡……やば、ちょっと止まらないかも」

 くちゅくちゅくちゅ、くちゅくちゅくちゅ

 牧村はショーツを下し、片足から抜く、体育座りの様に足を引きつけ、ソファーによりかかり、右手で股間をこね、左手で胸を揉む。

「あ♡……は♡……ぁ……ぁぁ♡、あんっ♡!!」

 と、牧村が指をより深く股間に沈めた所で、武智が部室へ到着した。

「……何やってんのお前」
「……あ、あはは、あはははは……」

 足を抱え込んで股間に指を入れて自慰に耽る親友と、テーブルの置かれている自分用の午後ティー(ミルク)。武智はそんな光景と電車の中での出来事を深く鑑み、今後も牧村と親友としてよろしくやっていくべく、この場を紛らわせるべき適切な文言を、しばし考え――

 そして――、

「おう、牧村。お前人のミルク(午後ティー)を勝手に飲んだ挙句、部室でオナニーとはいい度胸だ、そんなにミルク好きなら俺のミルク(ちんぽ)をたんと飲ませてやるからそこに直れ」

 そう言って武智は牧村をズビシぃと指差し、ベルトを緩めてポーズをとった。

 ――30秒位二人の間に沈黙が流れただろうか。

 武智は笑って済ませるつもりであった。
 だがしかし、牧村はそうではなかった。

 それだけのことであった。

「――いいよ」
「……あん?」
「――飲んであげるから、いかせてよ……」
「……お、おう」

 いつのまにかもはや引き返せない空気が牧村の発言によって蔓延する。牧村が、おずおずと武智の前に近寄り、座りこむ。その姿に武智の意地の悪い性癖が再び鎌首をもたげ、カチャリ、と部室のドアを締める。

 武智はベルトを緩めトランクスから、肉棒を取り出し、牧村の前へと持っていく。

「んじゃ、……よろしく頼むわ」

 牧村の手がゆっくりと武智の肉棒を掴み、彼女の整った口元から舌先が伸びる。
 ぺろん、と、武智と牧村の粘膜が接触し、実にあっさりと二人は親友のとしての一線を超えてしまった。

 ちゅぱ、ちゅぱと、水音が部室に響く。牧村のフェラは、舌先と手コキだけのういういしい動きであったが、それが逆に武智の嗜虐心をそそってしまった。

「――なあ、真樹、ちょっと口開けてみ?」
「えと、こう?」

 武智の言葉に躊躇いがちに口を開く牧村。

「そうそう、はじめはゆっくりいくからな?」

 そういうと、武智は牧村の唇に肉棒を当てゆっくりと推し進めていく。

「……ん……むぅぅ……」

 牧村は苦しそうな声を上げるが武智は、

「ほら、真樹、そのまま吸って?舌と唇で挟んでちゅーって吸うんだ、お、……ほ」

 ちゅるるる、と言われるままに牧村は武智の亀頭をしゃぶり吸い付く。
 そしてぷはっと、吐き出し、ケホケホと幾分咳き込む。

「みつひろ、ちょっとこれ苦しい……」
「大丈夫、すぐに慣れるって、ほら、ソファでやろうぜ」

 武智はソファーに座り足を開き、その間に牧村が顔を埋める。
 彼女に肉棒を加えさせると、武智はゆっくりと牧村の口内を蹂躙した。

「……ん……ん……んむぅ♡」

 くぐもった声に加えて、じゅぽ、じゅぱ、と淫らな音が牧村の口元から漏れてきた。武智は牧村の頭を左手で抱えながら、彼女の胸に右手を伸ばす。腰をゆっくりと押しこむ度に、牧村の胸をむぎゅむぎゅと、揉んでやる。

「ん♡……んっ♡ ぷは……ぁ♡ みつひろぉ……ん♡……んふ♡」

 牧村の頭は蕩けていた。彼氏でも無い男のペニスで口内を好きに遊ばれている感覚はある。上顎を擦られ、喉をノックされ、頬を擦られ、舌で奉仕をさせられる。そんな屈辱的な行為を帳消しにするほどの期待感と快感への予兆がじんじんと乳首先から牧村の体を震えさせていた。

 ちゅうちゅうと、牧村がしゃぶりつくそのすぐ下で、武智の両手が牧村のブラウスをはだけさせる。ブラの肩紐が降ろされ、牧村のきれいな鎖骨がさらされる。ブラに手を差し込み、カップをずり下げると、ツンと先端を勃たせた牧村のふくよかなおっぱいが、たわわに実っていた。

(……これは、中々贅沢な景色だな)

 武智の股間に両手を添えながら、ぎこちなくもちゅぽちゅぽと上目遣いで口を動かす牧村。はだけたブラウスの袖を抜いていないので、手の動きが制限されてしまっているがそれが逆に背徳感を醸し出す。まろび出た乳首の先端をさすり、摘んで撫でると、――ちゅぽん、ちゅぱんと、前後する牧村の顔が、快感に震えて歪んだ。

「真樹……手はここ、そうそうゆっくり揉んでくれ、……おお、いいぞ」

 武智は牧村の両手を自らの玉袋へと誘導し、やわやわと揉ませる。牧村の指がぎこちなく武智の玉を揉み始めると、牧村の口の中でより大きく武智の肉棒が膨らみさらに勃起する。

「ぷは……♡」

 牧村の唇からちゅぽんっと武智の肉棒が飛び出た。
 彼女の目の前で武智の肉棒はそそり立ち、牧村を見下ろしていた。

「……みつひろ、ちょっとこれ大きすぎ……んぅっ♡」

 武智の両手が牧村の両乳首をつまみあげる。
 くいっくいっと武智が指を揺する度に、牧村の胸がぶるんぶるんと揺れた。
「あっあっあっ……♡ やっあっあんっ……♡」
「中田先輩のとどっちが大きい? ――ん?」
「……あっんっ♡……そんなの……いえっ……ないっ♡――ふぁあああ♡」

 ワンオクターブ高い牧村の喘ぎ声。原因は武智の右足が牧村の股間を弄っているからだ。
 靴下の布地が牧村の秘所を雑に書き分ける。もちろん胸の愛撫は継続中である。

「あああん♡ ――すご、いい♡――んむぅ♡」

 だらしなく喘ぐ牧村の口に武智は再び肉棒を抽挿する。

「……んんっ♡――んむぅ♡――んむぅ♡」

 つぷぷ、ちゅぽぽ、と牧村の唇が淫猥な音を立てて歪んだ。
 ――ちゅぽん、と再び牧村の口から武智の肉棒が抜かれた。

 胸元ではくにくにと、股間ではぐにゃぐにゃと、武智の愛撫が牧村を蕩けさせる。

「……あ♡……あっ♡……や♡……あん♡」
「じゃあさ……真樹。俺と中田先輩、どっちが気持ちいい?」

 牧村は泣きそうな顔で頭を振る。

「んっ♡……あっ♡……あっ……」
「言わなきゃ、ここまでだな」

 武智は牧村の胸から指を離し、右足だけで彼女の股間をねっとりとかき回す。

「……に……きま……じゃん」

 牧村のか細い告白に、武智はスマホを構える。制服のミニスカートのなかでうにうにと動く武智の足と、その動きに合わせて体をぴくぴくさせる牧村。上半身は剥かれていて、彼女の乳首は痛いほど勃っている。口元と舌は粘液でてらてらと光っていて、その唇が淫靡に語る。

「みつひろの方がきもちいよ、……きまってんじゃん」

 そういって、牧村は武智に先ほど仕込まれたようにじゅぽ、ちゅぽっと目の間にそそり立つ肉棒にむしゃぶりついた。

「俺のちんこ美味しい?」
「……わかんない。だいたいこんなエッチにしゃぶらされて、咥えさせられたのみつひろが初めてだもん……ん♡」

 牧村にとって中田とのフェラは舌でチロチロしたり軽く舐めるたり手で擦るだけであった。性体験があまりない少年少女にとってみればあたりまえのことだが、今この場で牧村は、武智によってしゃぶる、吸い付く、口の中で含んで舐めるという行為を仕込まれてしまった。

「へへ、真樹かわいいじゃん、ちょっと燃えてきたわ、――よっと」

 そういうと武智は牧村の脇に手を差し込みよいしょと抱き寄せ、ソファに座らせる。先ほどとは逆の形。牧村がM字開脚をしてソファに座り、武智が牧村の股間に顔を埋める形である。

 まだ使い込まれていない綺麗な牧村の花びらが武智の目の前に広がる。

「ちょ――、なにす――♡」

 牧村が感じた感覚はにゅろん、である。
 そして、ぬろろん、である。

 牧村は自分が何をされているかは、分かっている。どんな動きであそこがかき混ぜられているのかも、なんとなく分かる。だが、この気持ちよさは予想外であった。

 熱く粘っこい何かが、自分の股間を這いまわり、蠢いている。

「あはぁ……あふぁ……♡」
「なんだ真樹、クンニ初めてかよ、おら、どう、きもちい?」
「あっ♡……あっ♡……ああんっ……♡」

 牧村にとってクンニ自体は初めではない、ただ中田の舌は舐めることしかしなかった。唇で挟まれたり、舌で圧迫されたり、じゅるじゅると吸われたことなんてなかったのだ。

「やだぁ♡ 私知らない、こんなのしらないよぉ♡」

 じゅるるるる、じゅぞぞぞぞ、じゅずずずず。

「――あんっ!! ――あんっ!! ――うあん!!」

 牧村の股間の肉芽が連続して吸いだされる、びくん、びくん、と牧村の腰が飛び跳ね、踊る。軽い絶頂に牧村の子宮の粘膜が反応し、どろどろと、本気汁を排出させる。白く濁った愛液が牧村の股間からソファーと床につーっと糸を引いた。

 だがまだ武智の愛撫は終わらない。くちゃぁと、牧村の程よくほぐされた股間を両手で広げると、可愛らしくもそそり立ったクリトリスが顔を覗かせていて、

 武智の舌先がゆっくりと伸びる

「だめ……♡、みつひろだめ……ぇ♡」

 つんつんしたクリトリス、その手前で予行演習の様に武智の舌先がちろちろとデモンストレーションをする。その動作がもたらす快感を牧村は予測してしまう。期待してしまう。

「せんぱい……ごめんなさ――ひぁ♡」

 ――ぴちぴちぴち、ちろちろちろ――

 小刻みな舌先と無垢なクリトリスがせめぎ合う。ぴちぴちと、ぺちぺちと、頭をたたかれ、側面をなぞられ、下腹で潰され

「ぁぁぁぁぁぁぁ……ぃくぅ……♡、みつひろぉ、いってる♡、いってるぅ――♡」

 ぴちゃぴちゃ、ちゃぷちゃぷという舌とクリが奏でる連続的なBGMの中、牧村の膣からはぶしゃっぶしゃっと、連続的に潮が吹き出す。

「い……くぅ♡ ……あぁぁ♡ ――あはぁ♡――せんぱいきもち――いくぅ♡」

 かつて無いほどの快感を引き出された牧村はソファにもたれ掛かり、うつろな目で中空をみやる、そんな牧村の口に武智は肉棒をあてずずっと押しこむ。

「ほら、真樹、吸うんだ――」

 まどろむ意識の中、真樹は本能のまま、武智の仕込み通りにちゅうちゅうと咥え込み、武智の腰の抽挿を口で受け入れた。

「――出すぞぉ真樹ぃ……っ」

 武智の肉棒が真樹の口内でびくびくと震える。
 どぷどぷと、武智の精子が牧村の口内を汚していき、真樹は、うつろなまま、赤ん坊のようにちゅるちゅる、と吸い出し、そしてごくん、と嚥下した。

「――おっとスマホスマホっと」

 せっかくの精飲シーンがもったいないと、武智は未だ萎えないイチモツを再び牧村の口にもっていく。

「ん……♡ ん……ぅ♡」
「おほ、うまいうまい、それじゃ真樹、こんどは舌だして、そうそう、ちろちろっとな」

 ソファに寝かされ、牧村は胸やアソコを弄られながら絶頂の余韻と新たなフェラテクを仕込まれてしまう。

「なぁ、真樹、俺のチンコ美味いか?」
「……うん、みつひろの……かたくて……おいしい♡」

 スマホの画面越しに、牧村は舌をうねらせながら、そう呟いた。

 よろしければご評価お願いします<(_ _)>
 
ぬける  
  いいね!!  
             

感想を書く

←前の話 TOPに戻る 目次 次の話→