私はリアラ=セイグン。最近では水帝とか水龍姫とか大層な名前で呼ばれてしまっていますが、中身は普通の女の子です。はい、そのはずです。色々と私を取り巻く環境は変わってしまいましたが、中身はそんなに変わって無いはずです。
今、私は人生の目的である故郷を救った後、王国の要請で対魔王軍への橋頭堡となる、バージ砦の警護をしています。この砦は砦と言うにはもの凄く規模が大きくて、ちょっとしたお城ぐらいあります。堀もアキちゃんが調子にのって深くしたおかげで私が召喚した水龍さんがうねうねと体をくねらせたり、時々水面を跳ねて遊んだりしています。ちなみにこの水龍さんは、はぐれ幼竜を私の概念魔法の水で育てたけっか、なんか凄いことになっちゃった感じのやつです。今でもたまに甘えてくるかわいい弟みたいなものですね。ウェルザーっていいます。
今私は砦の展望台にいるのですが、目の前には魔王が支配する、旧ヴィンランドル王都が見えます。王都の町並みはそのままに、周囲に分厚いダンジョン化した城壁を持ち、不洛の要塞と化した魔王の拠点です。
唐突に申し訳ないのですが、私、リアラ=セイグンには一つだけ悩みがあります。
聞けば、魔都と化したヴィンランドルに取り残された数千人の住人はまだ生きていて、魔王の圧政に艱難辛苦を受けているのだとか。そう聞いていたのですが、こうして最前線まで出向いてみれば何というか、その、どうも勝手が違うのです。
私とアキちゃんが、この橋頭堡となるバージ砦を築くまで、当然魔王側が黙ってみているわけがないだろうということで、アキちゃんのゲートをアルバで待機している軍隊さん達が通り抜けるまで、維持するのが私の役目でした。
重大な役目です。
先生から頂いた魔法を持ってしても不安が残る任務でした。
……任務だったんですけど。
あのとき、普段開かずの門である魔都ダンジョンの扉が開かれて、中から出てきたのは……。
身の丈が人間の十倍はあろうかというサイクロプス数体と、一人のおじ様でした。そして、サイクロプスは巨大な荷車をそれぞれが引いていて、その肩にはあろう事か、
「引越し祝い」
という紅白のたすきと旗が立っていたのです。
なんというか、なんというかなのです。
なんかドンドコドンドコと、打楽器の演奏も聞こえます。
みればサイクロプスの皆さんが楽しそうに演奏しながらこちらへ向かってきます。
私は、このなんか台無しな雰囲気と空気の読めないノリを何処かで知っている気がします。
サイクロプスの皆さんは私と水龍さんの前まで来ると、その荷物を下ろし整列します。
「お嬢ちゃん、お隣に出来る砦の人?」
「え、あ、はい、そうですが」
「ほな、受け取りのサインはここやで」
「あ、はぁ……」
私は言われるままに差し出された書類にサインをしました。
「まいどあり、魔王領内に届け物がある時、使こうてな?」
おじさまはそう言って通信カードを私へ握らせると、そのまま帰って行きました。荷物には宛名票が貼ってあります。差出人にローラと書かれていて、中身は大量の麺でした。"引っ越しそば"とか書いてあります。わりと美味しかったです。
違います。
話がそれました。
いえ、違いませんでした。
でもなんかうまく言葉に出来ません。
つまりですね、えーとですね、平和なんです。
しかもですね
驚くべき事に魔王領周辺は流通があるのです。経済があるのです。
なんか近隣の村々が栄えているのです。変ですよねこれ。
これじゃぁ水源で苦しんでいた私達の故郷よりよっぽど平和です。
魔王領はこの世の地獄、なんてどなたが言っているんでしょうか。
近隣の村々にも直接聞き込みにいきました。
そして避難もおすすめしたのですが、答えはNOでした。
聞けばこの環境に耐えられない人間は全てとっくの昔に安全に逃げ出しているというのです。村の人たちは言いました。自殺行為みたいな特攻者を除き、ここいら近辺では命がなくなった者などそうはいないよと。
そして村人さん達はいいました。
「お前さんみたいな若い女は今すぐ帰った方がいい」
と。
ここは平和で、怪物もいない。食料も豊富だし、流通もあるし、栄えている。だが、確かに魔王はいるのだ、と。圧倒的な力で人の心を弄び、陵辱する魔王と、それに魅せられたクズどもばかりなんだと。
「だから、アンタみたいな女は帰った方がいい」
と、村人さんは言いました。
真実はその日の夜にわかりました。解ってしまいました。
仮説の堀が完成し、一万人の軍隊さんと、私の概念水龍が駐屯する形なったこの砦予定地の空に、大きな遠視投影(ディスプレイ)が映し出され。
『人類の救世主!! リアラ=セイグンちゃんとアキ=カーマインちゃんの本日のパンチラ特集』
という文字が夜空に大きく現れて、
あろうことか、私とアキちゃんのローアングル画像がどんどん映し出されたんです。
信じられません、いつ撮られたのかもどこから撮られたのかも解りません。荷物を受け取った時にサイクロプスさんの歩く風圧で舞い上がったスカートとか、近隣の村々に言ったときに椅子の下からのアングルとか、拠点作成前でどーしてもトイレに行きたくなって、草むらで小用を済ませようと下着に手を掛けたところとか、色々ありましたけどそこら辺で、アキちゃんの魔法で遠視投影を空間ごと削りきって事なきを得たのですが。
村人さん達の言った意味がようやく解りました。
この魔王さんは飛んでもないセクハラ魔王さんです。
女性の敵です。
許すまじです。
アキちゃんは、『いーじゃないパンチラぐらい、減るもんじゃないし』とか言ってますけどダメです。
ダメなんです。
ダメったらダメなんです。
とりあえず、魔王さんがいる王都に向けて特大の水龍爆弾を落としておきましたけど、何の被害もなさそうです。むかむかします。ぷんぷんします。
アキちゃんは気にしていないかもしれませんが、味方の兵士さん達の私達を見る目が、ちょっとエッチなものになっています。絶対絶対、私もアキちゃんも皆さんの中でめちゃめちゃにされてます。最近闇市出回っているっていうエッチなうすい本みたいな事をされちゃっています。それそれは口には出せないような変態さんみたいなことを。兵士さんと話していると、目線が動くから解るんです。絶対胸とか太ももとかお尻とか見ています。
スカートをはくのをやめようと思って、着替えを見たら、全部何者かにミニスカートにすり替えられていました。アキちゃんはタイトミニだったそうです。もう一度、着弾と同時に気化して広範囲に爆発する特大水龍爆弾を二、三本ほど魔都に向けて打ち込みましたが、何の被害もなさそうです。砦の守りに使っている水龍のウェルザーにも特攻してもらおうかと思いましたが、ウェルザーが泣いて嫌がったので諦めました。ちょっと頭に血が上っていたみたいです。リアラ、反省します。
アキちゃんに相談したら『軍隊に私達みたいな若い子がいたら遅かれ速かれ頭の中で肉便器でしょ? 気にしちゃ負けよ』とか言うんです。アキちゃんはパンチラだけでおしっこ前の映像を見られてないから、そんな事言えるんです。あ、ちなみに下着は下ろしきってませんでしたから、私も全部見られちゃったわけじゃないですからね。
いらいらします。
とってもいらいらします。
ウェルザーも最近私を怖がってアキちゃんに懐くさまです。
お姉ちゃんのどこが怖いっていうんですか、そいじゃいますよ、その鱗。
それはそれとして、どうにかならないものでしょうか、この憤り。
しばらく考えました。
よ~く落ち着いて考えました。
はい、私嘘つきでした。
本当の事を言います。
これが私の悩みです。
本当に言いにくいのですが、私はムラムラしちゃったんです。
男の人のアレだけ血走った視線は久しぶりです。
私の体を舐めるように、値踏みするように、ねっとりと絡みついては離れないあの視線。
正直溜りません。
トール先生を思い出してしまいます。
兵士さんもトール先生と同じような屈強な体をしているのでしょうか。
一晩に何回も、何十回もイかしていただけるんでしょうか。
そんな事をふと考えてしまいます。
でも、そんな事言えません。
そんな事を口に出してしまったら、そんな事を願ってしまったら、
きっと、大変なことになります。酷いことになります。
あ、誤解をしないで欲しいのですが、私は多人数を相手にする行為はあまり好きではありません。ええと、多人数のトール教授との行為はなんどもしておいてアレなのですが、トール先生の分身は一つに繋がってますから、きちんと私のやって欲しいことを読み取って色々としてくれるのでお口とお尻とアソコにいっぺんに入れられてもあまり辛くないんです。
と、話がずれてしまいました。
そんな分けで私は今トール教授を思い出します。任務でこの場を離れることは出来ませんし、私の自室前には見張りの兵士さんがいるので一人で慰める事もできません。アキちゃんは時々魔法で自分の実家の部屋に帰ってオナニーしているのにずるいと思いませんか。
ため息がでます。
そう、あれはリューイ君が合宿に行って、その間に結局アキちゃんと一緒にトール教授に犯されちゃって、リューイ君が帰ってくる間のことです。その日一日。私はトール教授に犯され続けました。しかも、ずっと手だけです。朝起きてベット上で股間をくちゅくちゅされます。寝ぼけ眼で意識がはっきりしない中、いっぱいぴゅっぴゅされてしましました。その後、シャワーを浴びて汗を流している時もくちゅくちゅされちゃいます。いやっていても優しいキスでお口をかき回されてしまうと、体がその気になっちゃうんです。最後はシャワーをクリトリスに当てられながら激しく手でイかされてしまいました。
学園では寮生活でしたので、朝は寮から教室まで直接行きます。授業中姿を消したトール教授に体中を弄くり回されます。イかせる時はアレだけ激しく手を動かしてくるのに、愛撫の時はねっとりと焦れったく弄ってくるんです。授業中どうしても我慢できなくなったら、しかたなくトイレへいく振りでごまかして、個室で盛大にイかされました。便器に手をついて一回。跨がらされて一回。壁に手をつかされて一回です。教室に戻ったとき、絶対隣の男子は不審がっていました。後始末をしてきましたけど、汗もかいていたし、いっぱい出した後ですし、何より、下着がびちゃびちゃで使い物にならないのではいていませんでしたから。
午後の授業でもトイレに行こうとしましたが、顔が赤いのを察した隣の男子が医務室に連れて行ってくれました。何か気づかれてしまったのでしょうか。肩を触る男子の手が妙に力が入っていたのを覚えています。医務室では、トール教授が眠らせた男子の目の前で、いっぱいいっぱいアソコから噴かれてしまいました。ベットの横に座る男子の顔にとどくまでやめないぞ~という教授は、絶対えっちで変態です。いや、なんというかベット上で四つん這いになって、何も知らない男子にびゅって、かけちゃうのが凄く新鮮で刺激的で、その頑張って三回ぐらいイっちゃったんですけど。
その後、お見舞いに来てくれた友達がいる中で、毛布の下で二回ほどイかされました。そのうち一回はお漏らしをしてしまって教授にどうごまかしたか聞いたら飲んだとか真顔で言われて困りました。一日中、気持ちよくされてしまって、ようやく寮の部屋に帰ると、アキちゃんがテーブルの前でもう一人のトール教授に股間に手を突っ込まれてくちゅくちゅされていました。私はここでアキちゃんも、今日一日私と同じような目にあっていたことを理解します。
結局二人並べて、仲良く指でイかされてしまいました。トール教授が二人に増えたのでお尻とアソコの同時責めです。隣のアキちゃんと舌を絡めながら、何度も何度もイクのはとても甘美でした。
誰もいない展望台で、私はこっそり一人で体を慰めました。
その夜に遠視投影で、一部始終を放送されかけました。
兵士さんが私を見る視線になんだか哀れみまで加わった気がします。
魔王さん、わりと死んで欲しいです。