「ふぁあああ!! ああん!! あぁん!! だめ……、――お願い、もう辛いの、もう何回もイって――あう!!」
ぱんぱん、と後ろからカレンの尻肉に徹の腰が打ちつけられていた。四つん這いの状態で後ろからずんずん突き上げられる度にカレンの大きな胸がゆさゆさと揺れる。
「だめだめっ、カレンちゃんの下のお口はまだ全然満足してないよ!! だってほら、こんなにぎゅっと締め付けてるし!!」
そう言って徹はゆさゆさと揺れるカレンの胸を後ろから揉み込む。その度にきゅ、きゅとカレンの膣肉は徹の男根を貪欲に締め付けるのであった。
「ああん!! だって、……だってぇっ、もうわかんないよぅ、――あぅぅ、もうやだぁ、きもちいのやだぁ!!」
「そんなこと言って、ほらほら、カレンちゃんだってノリ気じゃない、腰、動いてるよ? 素直になろうよー」
徹の言葉はにカレンは――ちがう、と頭を振るがそれは事実である。さんざん指で弄んだ後に徹がカレンに行なった仕打ちは、実に単純なものであった。それは淡々とした挿入行為。自分のペニスに絶頂禁止の概念を適応し、永続勃起した逸物にてカレンの秘所を貫き続けてはや二時間。その間強くピストンするわけでもなく。只々カレンの膣内を解すように一定のリズムで前後運動を続けるだけであった。
しかし、それはカレンにとっては溜まったものではなかった。自らの下腹部から背筋と脳髄にゾクゾクと伝わる快感はカレンの意思とは別にどんどん大きくなる。一度乱暴に扱われ、強引に開けられた快楽の階段を、こんどは正当な手順を持って後に戻れないように、カレンが階段を登った途端に、かつてあった段差を塗り固められていくような感覚。
ずちゃ、ずちょと耳に届く卑猥な音。
ぱん、ぱん、と小気味良くぶつかり合う肉の感触。
徹のペニスがカレンの膣内をずるずると擦るその度に、一度めいいっぱい広がった膣肉が、正当な快楽を求めようと本能的に正しい形へ蠢いていく。
その感覚は、まさについ先程までは処女だったカレンには理解ができない未知の感覚であると同時に、手放しがたい快楽への渇望への甘露となっていた。
「あうう!! ――いく、またいく、もうやだ、もうやだぁ、おっきいのきちゃう、――またすごいのきちゃうのぅ!!」
言葉とは裏腹にカレンの四肢は徹のピストンを受け入れるためだけにこわばり、体を固定し貪欲に腰を動かすための支えへと変化していた。腰を突き出し、足を広げ、膝を使ってくい、くい、と徹のペニスが擦れる場所をずらしていく。上半身は動かないように固定し、徹の腕が差し込みやすいように脇を開ける。その姿は傍から見れば快楽のために全てをさらけ出している痴女そのものだった。
「ふ、あああぁ――あん、あんっ、すごいの、――くるぅ!! あああんっ、イくっ、――きもちいっ、またわたし、わたしぃ――!!」
――だから、
ぬぽん、と
「え、……あ、な、――なんで?」
徹はカレンの膣からペニスを引きぬく。かつてない快楽へと続いていた梯子が不意に外され、カレンは戸惑う。そう徹は別にカレンを喜ばせる為に行為を続けているのではない。彼の目的は支配。それはマスターロッドの影響なのか、それとも彼が元々その素養が合ったのかどうかは分からない。――ただ彼は今、彼の論理を振りかざす、
――その、マスターロッドと共に。
「それじゃぁ、カレンちゃん。――選択の時間だよ?」
突然のおあずけに戸惑うカレンは、徹がかざす黄金の錫杖が指す先を何かに操られるようにみる。その視線の先には、気絶したアルテが扮するオークの体。
【支配者要求(ルーラーリクエスト)>――】
――そして、アルテは目を覚ます。
彼女はその小さい体をカレンに優しく抱きしめられていた。
「おはよ、アル。――もう、いつまで寝てるつもりよ」
「あ、うん、ごめんカレン、ええと、その、――あれ? ――あれ?」
アルテはカレンへ預けていた体を起こして周囲を見やる。横にはそんな彼女の表情に、どうしたの、と首をかしげるカレンがいた。
「たしか――僕は」
アルテはカレンを見る。
――カレンと、愛しあった……?
確信が持てないのは、カレンの様子である。正直夢とも思えない。自分が徹に味わった恥辱は未だ彼女の体の中で息づいている。しかし、その痕跡が無いのだ。自分の服もカレンの服も元通り、あれだけ汚したはずのカレンの体からは生臭い匂いすらもしない。
「そうだっ、徹さ――、いやちがう、ダンジョンマスターは?」
そんなアルテの呟きに、
「何いってるの、アル?」
カレンが答える。いつもの声と、いつもの顔で。
――まさか記憶が、無い?
アルテは混乱する。いったい、自分が気絶している間にいったい何が起きたのかと。徹が、徹が全てを知っているはずだと確信し、彼女は周囲を探そうと立ち上がる。――しかし、それをカレンが静止する。
「ねぇ、アル。そんな事よりさ、ね? 私の事好き?」
――それは、どうしようも無い違和感。調子は全く変わらない、いつものカレンでありながら、中身は全く別の何かに変わってしまっているような感覚。
「――い、いきなりどうしたのさ、カレン。ボク、ダンジョンマスターを探さないと……」
「――いいから、答えて。私はアルが好きよ、愛してる。アルにだったら、何されてもいいの。だから、アルの返事、聞かせて?」
ず、とアルテに近寄り、耳元でささやくカレン。その行為に、背筋が寒くなるほどの悪寒を感じながら。――アルテは最後の一歩を踏み外す。
「もちろん!! 愛してるよカレン!! ――僕だって、僕だってカレンになら、何されたってかまわない!! それくらい君を――!!」
最後まで言い切る前に、アルテの体はカレンに抱きしめられた。
「嬉しい!!」
と、カレンのから出た歓喜の言葉がアルテの心を高揚させるが、
・・・・・・・・・・・・・・・
「――それじゃあ、徹様。お願いします!!」
次に吐き出されたカレンの言葉で絶望に変わる。
【支配者要求:記憶変態(ルーラーリクエスト)>カレン】
カレンの体が、緑色の筋肉の塊へと目の前で変化する。もちろん、カレンに抱きしめられているアルテが逃げ出せるはずも無く。聞き慣れた声に首だけ振り返れば、そこにはさんざん見慣れたもう一匹の緑の塊がそこにいて――。
「それじゃぁ、カレンちゃん。――選択の時間だよ?」
徹はこれまでの全てをカレンにばらした上で、カレンに選択を迫る。
「いいかい、アルテちゃんはもう僕のものだ。だからカレンちゃんにはもう、あげない。」
それは悪魔の方程式。
「そのかわりヴァンダル鉱はあげる。これで君は新しい人生を送るといい」
その選択肢を選ぶはずも無い事をしっていて、徹はのうのうと口に出す。
「カレンちゃんはアルテちゃんに裏切られた形だし、もう未練は無いよね?」
徹の言葉は、カレンの次の言葉を引き出すためだけに語られる。
「――いや、いやよ、アルは、アルは渡さない!!」
アルテのカレンに対する恋心が歪んでいるのならば、その逆もしかり。真っ直ぐ強すぎるカレンの直情的な思いは、傍から見れば究極の独占欲という醜くネジ曲がった、歪な愛情でもあったのだ。
「――それじゃあ、カレンちゃんが俺の肉便器になってくれる? そしたらアルテちゃんはカレンちゃんにあげてもいいかなー?」
そして徹はカレンへ囁く。悪魔の契約への誘いを。それは、矛盾契約。アルテはカレンが欲しいと自らを差し出し、そして今、カレンはアルテが欲しいと自らを差し出す。
そんな彼女に、アルテは答えてしまった。
――何をされたっていいと。
昏く深いクエストエリアの奥。新たな獣を交えて新たな淫欲の花が咲き誇る。
「いやああああ!! おおきいっ、――あああん!! 二本同時なんて入らないぃっ………ひぐ、ボク、ボク、壊れちゃ――、あっ、あっ、だめ、玩具だめっ、――ああああああああああ、またお汁でちゃううう、ひやあああああ!! ああんっ、――もう許してぇええ!!」
マスター☆ロッド第二章 ――アルフレッド君とカレンちゃん(終)