マスター☆ロッド げいんざあげいん

第九話:徹君とローラ姫(終)


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「――んふ、……んっ、……ぷはっ、……あむ……んー、――はぁ、はむ……、んっ、――んっ」

 第三ブロックの勝敗は決した。

「――んむ、ふぁ……、うふふっ――あむ、――ぷは、んっ、――んん、あぁ……、かたぁい……」

【第三部ブロック・挑戦者の勝利です】

 遠視投影のメッセージはローラの目にも入っている。しかし、ちゅぱちゅぱとローラの舌が徹の肉棒にいつまでも絡みつく。

「あー……、ローラちゃん? 気持ちはいいんだけど、次のゲーム始まるよ?」

 そんな徹の言葉は、彼女に届いているのか、届いていないのか。

 ――ちゅっぽん

 ローラの口から徹の肉棒が離れ、淫靡な蜜音と共に跳ね上がる。彼女の唇から、徹の亀頭の先が細い糸が引かれる。その透明な糸を追うように再びローラの口が追いかけ。ちゅむっとローラの口に亀頭が含まれた。

「……ローラちゃん?」

 徹が視線を下にやれば、そこには亀頭を口に含み、上目遣いで何かを期待しているローラの目線とあう。徹が試しに腰をゆっくりと前後する。ローラの唇が徹の肉棒に擦られ、ちゅぽちゅぽといやらしい音を立てた。

「――お口、掻き混ぜて欲しいの?」

 そんな徹の質問に、ローラは差し込まれた亀頭の先をちゅう、っと吸い付くことで返事をした。

 ――ちゅくちゅく、ちゃくちゃく

 ローラの幼い口を、徹の肉棒が犯していく。

「――んっ――んっ、んむっ……んんっ、……んっ……んっ」
「あああ、ローラちゃん、エッチになったねぇ、――すごく気持ちいいよ!!」

 そんな徹の声を聞きながら、ローラは口内をぐいぐいと犯す肉棒の感覚に酔っていた。指や舌とは異なる、熱く固いもの。そして何よりも、口に広がる汚らしくもいやらしい精液味と匂いに性器を口内に突っ込まれ、かき混ぜられるという倒錯感。

 ――擦られる唇が心地よいと
 ――舌や口内に塗りこまれていく精液がいやらしいと
 ――喉奥と亀頭が触れる感覚が気持がいいと

 不潔でいやらしい行為だと以前のローラであったら気でも失っていたかもしれない。でも今の彼女は違う。

(――気持ちいい。――お口の中をぐちゃぐちゃにされるのは、とても心地よいですの)

「――んっ――んっ、――ふっ――んっ」

 そう、ローラが心のなかで呟いた時、徹の肉棒を受け入れていた唇が、だらしなく緩む。ちゅっちゅ、という規則的な蜜音が、くちゃん、くちゃ、と不規則な音に変化した。

「ふぁぁ……、んっ、んぁぁ……んむ、んっ……ちゅぱ、――んっ、――あぁぁ、――きもち……い……い、きもちいいの……」

 見ればローラ両手は股間に伸び、自らクリトリスを慰めている。快感に酔う、だらけた彼女の口元が、徹の劣情を加速させた。

「うわぁ……ローラちゃんエロい……。――いいよ、出してあげる。おもいっきり出してあげる!!」

 徹の両手がローラの頭を掴み固定し、ガシガシと無遠慮に前後に動き始める。

「――んんんんんっ――んむっ――んむっ、――んんっ、――んっ――んっ」

 その乱暴な抽送にローラは眉を寄せるが、逆に徹の肉棒を離すまいと必死で吸い付いた。

「おらあああああ!! 出る出る、出すぞおおおおおおおお!!」

 カクカクと小刻みに震える徹の腰。その動きは大量の精液を徹の睾丸から吸い上げ、ローラの口内で刺激を貪る先端に送りこむ。ローラの口の中で徹の肉棒が膨張した瞬間、彼女の口の中に徹の精液がぶちまけられた。

「……んんっ、――んっ、――んっ――ん……」

 徹の亀頭が暴れ回り、精液を空中に吐き出しローラの口内を犯していく。

「――ん、んっ、――ちゅる」
「へ?」
「ちゅるるる、ちゅるるるる」
「――おっおっ、――ちょえ? ――おっ――あっ」
「――ちゅぅううっ」

 不意なローラの吸引が徹のお尻の奥から尿道まで、慮外の快感が走らせた。

「おほ!! また、――またでちゃうぞおお!!」

 徹の叫びと、ローラの上顎に再びあたたかい粘液が吹き出したのは同時である。

 ――ごくん、とローラの喉が徹の精液を嚥下していく。

 精液でぐちゃぐちゃになったローラの口内と徹の亀頭を、彼女の舌がちゅるちゅると処理をしていく。

 ――ちゅるる、ちゅるるるる

 それは丹念なお掃除フェラであった。誰に仕込まれたわけでもない彼女が、快楽という本能に身をまかせ、徹のそそり立つ肉棒を愛しそうに吸い続け、そして――

 ――ちゅぽん

 と、満足そうに口を話す。

「……ろ、ローラちゃん?」

 徹の勃起は収まらない。そんな様子を見て、ローラは指で徹の裏筋をこちょこちょ、と弄んだ。びくんびくん、と徹の腰がその度に跳ね上がる。

「うふふ? だらしの無いおちんちんですこと。こんなにお汁をお漏らしになって……、――私のお口は、そんなに気持ちよかったのかしら?」

 そんな小悪魔的な笑顔で、徹の肉棒を指で弄ぶローラ。
 そんな彼女に徹は一瞬あっけにとられて、

「――はは、まいったよ」

 苦笑し、両手を上げる徹。

「……本当に?」

 と、ローラは尚も亀頭の先を指でこしょこしょと弄ぶ。

「うん、予想外だった。一本取られたわ。すごいね、ローラちゃん」

 そんな徹の言葉に、

 ローラはうふふ、と満面の笑みを浮かべた。

「――それなら、この勝負ゲーム私の負けでいいですわ!!」




 ローラは分かっていた。このゲームの結果はきっとストレートで彼女が勝つ。マスターソードも自らの手に戻り、城にも間違いなく帰れる。――だが問題はその後である。ローラは確信する。今までの経緯と事の運び方を考えれば、この男との勝負がそんな都合の良い話で済むわけがないのだ。

 徹の最終目的はこのゲームでローラを弄ぶこと。それはわかる。だが支配武器の使い手が直ぐ側にある支配武器をそのままにしておくなど考えられない。――ならば、何故徹は自分が負けるゲームを。マスターソードを手放すような流れに仕向けたのか。

 ――そんなことは決まっている。きっと既にその憂いは、別の方法で解決済みなのだとローラは予想した。――それは、ローラがマスターソードの使い手だからこそ理解できた徹の思考パターンであり、そしてその推察は合っていた。

 だからこそ徹は呟いたのだ。

 ――まいったよ、と。

 ということはこのゲームは茶番である。ならば、ローラは与えられた偽りの勝利よりも、なんとかして徹に一杯食わせてやりたかったのだ。目をパチパチさせながら、ローラの指で射精後の肉棒を弄ばれ、びくびくと腰震わせる彼の表情は、彼女に実にさわやかな達成感を与えた。

 ――故に、負けで良いと。あとは好きにしなさいと。彼女は宣言したのだ。

 そんな彼女を見ながら、徹は思う。

 ――この娘は強い。

 幼くもマスターソードに選ばれた十三歳の少女。彼女の心は折れていない。気持ちよさを体が受け入れようと、何度イかされようと。今、彼女の心は徹に支配されまいと小さな勝利に拘り、そして結果を出した。

「やばいな……、――俺、ローラちゃんこと好きになっちゃいそうだよ……」

 徹はゆらりと、ローラに擦り寄り、そしてローラに軽く、キスをする。

「……私も、今は貴方の事は嫌いではありませんわ……、かわいらしい一面もありますし、――うふふっ」

 そして、徹は囁く、悪魔の誘いを。

「ねぇ……ローラちゃん、俺と一緒に世界を支配しようよ……」

 その徹の言葉を聞いたローラは、何かピンと来たように可愛らしく首を傾げて

「――あらあら、それでは私わたくし、きっと酷い目にあってしまいますの」

 と、嬉しそうに返事をした。彼女の顔からは、――合っているならば褒めてと、期待の眼差しが徹へとそそがれていた。



 ――話を少し遡ろう。



 ローラは一年間、マスターソードで人を切り続けてマスターソードの株分けを果たした。一方徹はこの世界に来て一年そして地上に出るまで五年という歳月を費やした。

 ――カイルに渡したマスターロッドの株分けは、果たして一体何個目の株分けだったのであろうか。
 ――株分けされたマスターロッドが、更に株分けされるまで、どの程度の時間が必要だったのであろうか。

 株分けされたマスターロッドは、一体誰に?
 また、徹のダンジョンにモンスターは何故居なかった?




 ――ヴィンランドル王国の地下数メートルに掘られた広大な空間。そこには、有象無象の黄金の錫杖を持った屈強のモンスターが、蠢いていた。

 ミノタウロス、リザードマン、オーク、コボルド、ゴブリン、オーガ、デーモン、人型以外にもスライムや植物モンスター、虫型モンスター、更にはガス生物や、精神体までうろついている。

 人知れず掘られた広大な空間。ヴィンランドル王国の王都の直ぐ真下に、恐ろしい地獄がひしめいている。だが音も視覚も概念により閉ざされて、王国の住人は僅か数メートルの下の地獄に気づけない。

 ヴん、とローラの右手にマスターソードが戻る。
 同じく、徹の左手にマスターロッドが現れる。

「ローラちゃん、君のソードに一個ロッドを混ぜておいてあげたから、一緒にやろうか?」
「――はい、仰せのままに」

 今此処に、この世界最悪最凶のバカップルの共同作業が始まる――。

【――支配者要求:怪物転移(ルーラーリクエスト)>ヴィンランドル王都地下エリア】

 地下エリアにひしめく怪物たちが、一瞬にして別エリアに移される。そして、覚えているだろうか。株分けしたカイルの権限を、徹が一瞬で書換リライトしたことを――。

【――支配者要求:権限書換(ルーラーリクエスト)>ヴィンランドル王都地下エリア】

 これにて下準備が全て終わった。文字通り薄氷の上にそびえ立つ王都が今、絶望のどん底に落とされる。

【――支配者要求:侵入解除(ルーラーリクエスト)>ヴィンランドル王都地下エリア】

 その宣言と同時に、王都が地盤ごとゆっくりと沈み込み始める。その落差は数メートル。徹による徐々の概念解除により、王都の形そのままに沈み込んだことにより、王都の人間は街から逃げ出せず、ヴィンランドル王国が全て徹の概念空間に収まってしまうという結果を引き起こす。



 絶望が始まる。



 王都中に徹の魔力により、遠視投影(ディスプレイ)の巨大スクリーンが現れた。いや王都だけではない。それは世界中のありとあらゆる国と街に現れた。栄えた王都がモンスターの群れに囲まれ襲われている。阿鼻叫喚の地獄絵図が、そこにあった。そして不意に画面が切り替わる。そこには黄金の錫杖を持った徹と、ドレス姿で玉座に縛り付けられるローラの姿があった。


「――フハハハハハハ、世界のおにゃの子達よ、またせたな!!」

 マスターロッドと、いきり立つ股間を振りかざし、徹は叫ぶ。

「――我が名は徹!!」
「――俺は今ここに宣言する!! かわいいおにゃのこを全て犯し倒すと!!」
「――ヴィンランドル王国は見ての通り、もう俺のものだ」
「――いいか、王国内の貴族も平民も騎士も、人妻もおねぇさんも女の子も幼女も、全部俺が犯してやる――!! たっぷりこの画面で放送してやるから、男どもは泣いて喜べ!!」
「――手始めはこの国の王女からだ!!」

 そう言って徹は玉座の後ろにまわりこみ、ローラの胸をドレス越しにグニグニと揉みしだくき、

「いやああああ!! 助けて!! 助けて勇者さまっ!! ああっ、――お願い、――やめてぇ!!」

 ローラの迫真の演技が、全世界に流される。

 そんな中、

「……ねぇ、ローラちゃんの処女喪失、みんなに見られちゃうよ、恥ずかしい?」

 と、徹に耳元で囁かれたローラは、

「いえ、最高ですわ――、はぅぅ……」

 と、陶酔した表情でつぶやき返す。ローラは思うのだ、こんな自分と徹の茶番で世界が動く。――徹とローラに行動が支配される。それは、かつてローラがマスターソードに願った夢と、形は違えど、似た理想――。

「いやああああ、――やぁああん、おやめになって、おやめになって!! ゆるしてぇ!!」

 徹にドレスの裾をまくり上げられ、幼い花弁を指でかき回されながら、ローラは言葉とは裏腹に昏い快感を貪るのであった。

 そして、今この瞬間から世界は「魔王トール」を世界の敵として認識し、ダンジョンと化した王都を攻略すべく、討伐隊を組むことになる。その中に、徹と同じくした転生者達がゲーム感覚で挑み、酷いことになってしまうのだが、それは別のお話であった。

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ぬける  
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