大生沢茜は、心の中では塔田巧を思えども、もう体は武智光博という男に逆らえない。その証拠に、たった今、さんざんイかされたあとだというのに、服の上からだというのに。固くしこった乳首を摘ままれて、大生沢茜の体がまた快楽を求めてしまっている。こりこりと、意地悪く先端だけを弄り続けるこの男に期待してしまう。
「んっ……んっ焦らすのだめだってば……んっ♡」
大生沢茜は思う。さんざん、これだけイかされたのだ。武智のいきり立っている股間を、どうにか鎮めてあげなくてはならないだろう。脳裏に、神田佳奈美のあられも無い姿が浮かぶ。
あんなに激しく、後ろから。何回も、何回も。自分もされてしまうのだろうかと。そう、きっと一回じゃ許してもらえない。ごくりと、大生沢茜は喉を鳴らす。そんな思考パターンが既に何かに蝕まれていることにも気づかずに。
彼女と武智の関係が歪んでいく。
「や、やだぁ♡」
抱き起こされ、あらわにされた茜の胸の先端を、武智の親指と人差し指できゅぅっと摘ままれて、伸ばされる。女の子の事をまるで考えていない興味本位で乱暴な、そのくせ気持ちがいいさわり方。ちゃんと後からなでなでと優しく捏ねての繰り返し。気持ちがいい鞭と優しい飴の無限ループ。
「あっ……やあっ♡」
喘ぎ声を出しながら、ふと大生沢茜は自覚する。もしかして、自分は、こうされるのが好きなのではないかと。痛いのは嫌いだ。だが、こんな風にやさしく辱められるのは悪くないと。
「せっかくだから、もうちょっと工夫しようか」
そんな武智の脳天気な声と共に、茜の視界が暗くなる。目隠し様のバンドがつけられて、再び武智が、視界をふさがれた大生沢茜の乳首を弄び出す。たださっきと違うのは、座っている茜を抱え込むように、彼女の後ろについていることだろうか。茜は、自分の姿を想像して、再び興奮が高まる。目が見えなくても、自分と武智がどういう位置関係なのかははわかっていた。なぜなら、ごりごりと硬い武智のアソコが自分の背中に当たっているからだ。
まるで親子が仲良くテレビを見ているようなほほえましい光景。実際行われている行為は、しこった乳首を摘ままれて、ぷるぷるとその無駄に大きい胸を揺すられて、ゆっくり、ゆっくり、揉みしだかれているというどーしようもない絵面なのだが。
「あっ……あん♡」
茜は思う。こんなの、巧には絶対無理だ。一生出来ない。出来ないなら。そう。どうせ、出来ないことなら。別に今、自分が体験しても問題ないのではないかと。茜がそんな事を思っているうちに
乳首がかしゅかしゅ、と弄ばれる。
「やっ……あっ……♡」
摘ままれ、擦られ、弾かれて。
無意識に茜は探してしまう。
武智の唇を。
ちゅるり、と期待に応えて武智が茜の唇を吸い取っていく。ああ、すごいと。茜は心の中で満足していた。ぺろぺろぴちゃぴちゃと、舌同士が絡まる柔らかで心地良い感触に。こりこり乳首が弄ばれる刺激のなんと甘美なことか。
ぎゅっと摘まんで
きゅうっと引っ張って
くにくに押し込んで
こりこり扱いて
そして、じれったくなってきたら揉んでくれる。
乳首を指に挟んでぐちゃぐちゃに揉み込んでくれるし、
ぶるぶると下品に揺すってくれる。
「はぁ……はぁ、きもちい、ひぅ♡」
大生沢茜は感じていた。これがセックスだと。言葉も無い。視界も無い。舌と指と体だけのコミュニケーション。武智が興奮していることは腰に当てられている彼の一物の硬さでわかる。いつもは煩わしかったが、この武智という男が今、こんなにも自分の胸に興味を持ってくれるなら、大きく育ってくれて良かったとさえ思ってしまう。
「ふあぁぁ、それ、すきぃ、ふぁぁ♡」
つんと、凝った茜の胸先に、新たな感触。陶酔めいた感覚茜が酔っている中、突然、彼女胸の先に武智の唇がじゅぱ、じゅぱっと乱暴に吸い付く。
「んっ、ふ、やぁ♡ ぁぁん♡」
そういえば巧も、自分の胸をよくしゃぶっていたと、茜は思い出す。ただ、ぺろぺろちゅーちゅーという塔田巧の片方ずつの控えめな愛撫と違い。武智の愛撫は別格であった。何せ指も舌もが休まない。吸ってるときは揉んでくれるし、揉みつつも摘まんで、摘まみつつも舐めて、舐めつつも吸ってくれる。そのかわりこうして目隠しをされたり、これ見よがしに揺らされたり。四つん這いにされて、牛みたいに絞られたり、胸の先っちょをくにゅくにゅされたり。
今まで、茜が感じらなかった場所が、気持ちよくなっていく。気持ちよくされていく。まるでマッサージを受けているようなそんな感覚を茜は感じてしまっていた。さっきアレだけ激しくイかされたのに、あれだけ乱暴に股間を指で犯されたのに、
じゅん♡
と、茜は自分の股間が再び潤ってしまうのを感じてしまう。
づぷりと
そして当然の様に、茜の股間は武智の指を受け入れてしまう。
そしてぐちぐちぐち、と武智が軽くかき回せれば、
「ふわっぁあっあっぁあぁ……あううぅ♡」
と、だらしなく涎を垂らしながら茜は喘いでしまう。緩んでしまう。武智に対して茜はどこまでも隙を見せてしまう。
「あ、よいしょと」
そんな茜の無防備な口に、武智は股間の一物を当てて、無造作に押し込んだ。
「んむ……んぅぅぅっ」
意外にもにも茜は混乱しなかった。じゅるり、じゅるりと武智にされるがままに、口内を犯されていく。
「ああーきもちぃ。へへ、茜フェラうめぇじゃん」
そんな武智の声は今の茜には聞こえなかった。
圧倒的に熱くて、太くて、硬い。巧のものなんて問題にならない。これが茜の心境だった。おしゃぶりしてあげるとか、舐めてあげるなんて行為とほど遠い。擦られて突かれて犯される。
「んっんぷっ、ずぶっんっんぷっんぐっ」
茜のつるつるとした上顎を容赦なく武智のカリで擦られる度に何故か涙がでてしまう。舌に肉棒の硬さを押しつけられる度に吸い付いてしまう。生臭い粘液が口の中にまぶされるのを、何故か嬉しく感じてしまう。目隠しで見えない分、触覚が鋭くなっているような感覚を茜は感じてしまう。跪かされて、口を犯されている。そしてそれを受け入れている自分がいる。
「ぷはっ、……はぁはぁ」
ようやくの解放に茜は一息つく。そして、再びしゃぶり出すとき、もはやその口は塔田巧の肉棒の形を覚えてはいなかった。
じゅぷり、と頬張り、
ちゅるり、と生臭いお汁飲み込む。
ぺちぺち、と武智が肉棒で茜の頬を叩けば、ぺろぺろと舌を這わす。
そしていい子いい子と頭を撫でられ、嬉しそうにまたしゃぶりつく。
これでいいのだと、これが正解だと。
教え込まれて仕込まれていく。
正解の合図は、優しい言葉だったり、乳首をコリコリされることだったり、舌を優しく指で引っ張られることだったり。
「ずずっ、んちゅ、んぐっ、ずずっ、んふ、じゅぷっ」
これがついさっきまで、バイブに赤面していた少女だと、いったい誰が信じることであろうか。茜は武智に促されるまま、膝をたてて、胸を使って扱きだした。
「そうそう、まず俺に抱きついて、そそ、しゅきしゅきって感じて、おほ、やーらけー」
「こ、こんなのでいいの?」
「うんうん、いいぞいいぞーお前のおっぱい凄いな、ぐりぐりチンコ押し返してくるぞ」
「たけちのが、おっきぃんだもん、んんっ」
胸を寄せて、武智の腰に手を回し、ぐにゅぐにゅと硬くそびえ立つ武智の肉棒を圧迫する。たまに勃起した乳首が武智の肉棒に押しつぶされ、その度に茜の口から吐息が漏れた。
「へへ、乳首感じてる?」
「うん……正直、胸もきもちい」
「そっかそっか、それじゃあ、姿勢はそのままな?」
そうして、武智は茜の胸の間に一物をちょこんと置いて、そして両側から茜の胸を掴みぎゅうっと圧迫した。
「やだぁ、なにこれ、やん……あん♡」
たぱたぱ、くちゃくちゃと、茜の胸のと武智の肉棒が擦れて揺れる。
「あー、たまんね。これたまんねぇわ」
大きく柔らかい、茜の胸を玩具の様に弄び、揺らして肉棒を擦り上げる。チンコ自身の快感もさることながら、武智はそれを人の彼女にやらせていて、しかも目隠しをさせているという優越感に強く浸っていた。
「はぁ、はぁ……茜、しゃぶって、さっきぽ咥えろっ」
「う、うん、……うむぅ……ん、ちゅ♡」
茜の胸元が生臭い武智の粘液で潤っていく。同時にちゅぱちゅぱと甲斐甲斐しい愛撫を続ける茜の唇から垂れる涎と混じり合い。ぬるぬるで、ぬめぬめとして、柔らかいくせに、ずっしりとした肉感を感じさせる性器として、完成されていく。
「ああ、だめだ、出る出る。茜っ、そのまま口開け、お、おっ」
「あ、ふあぁぁ♡」
ぎゅう、っと武智は両側から力任せに茜の胸を掴んで、寄せる。小刻みに武智の腰が痙攣し、こすこすこす、と茜の肉感たっぷりの胸の中で暴れ擦れて、
「お、らぁっ」
「ん、んむううっ」
びゅるる、と。粘っこい塊が、茜の口に飛び込んで。
どびゅる、と。熱い第二弾が、茜の髪から顔にかけて、ぱしゃっとかかり。
びゅくびゅくと。さらに溢れ出す、第三弾が、茜の下唇にとぽとぽとしたたりおち、胸元へと伝っていく。むせかえるような男の匂い。ただでさえ非日常に誘われた彼女の心が、またひとつ離れていく。男の精子はこういうものだと、教育されていく。
「すっごいでたね♡」
と茜が笑うが。
武智にとって本番はここからであった。
「茜、ごめん。もう、二、三発」
「え、きゃ、ひゃあぁ」
と、武智は茜を押し倒し、上半身にまたがり、ふたたび彼女の胸を挟み込む。
そして、目隠しを取り、武智と茜は視線を合わせた。
「お前の胸、やっべぇな、癖になりそう」
そんな、狂気を孕んだ武智の血走った視線を見て、茜はふと気づく。お気楽そうに見えている、|こいつ《武智》も人生結構苦労しているんじゃないかという、くだらない予測。武智光博というわけのわからない存在を、理解出来るちょっとしたきっかけ。
「その、別にいいけどさ……」
そして、大生沢茜は――。
「こんどはさ、もうちょっと、その、さ、もうちょっとだけなら……乱暴にしても、いいよ?」
武智の指輪が怪しく光り出す。歪み始めた関係が、捻れだして、加速していく、歪曲されたコミュニケーション。大生沢茜の色欲と、武智光博の所有欲が噛み合い絡まっていく。
「いい女だなぁ、茜」
「あったりまえじゃん、ひゃ♡」
茜が胸を寄せて武智の肉棒をきゅっと挟むと同時に、武智は、茜の乳首を掴んだ。二人で仲良くおっぱいを揉みしだき、茜がチンコを擦り、武智が乳首を扱く。卑猥な共同作業がお互いの体の距離をどんどん縮めていってしまう。心の距離は近づかずに、体の相性だけが加速していく。
「んっ、あっ、あははっ♡ 私これ結構好きかも、ん、あっあっ♡」
「まじで? 乳首擦られるのがいいんか? それとも顔にかけられるの?」
んーん、と茜は被りを振った。そして、胸の間からにゅぽにゅぽ、こんにちわとさようならを繰り返す武智の亀頭に舌を伸ばしながら、
「……玩具みたいにされるの、好き♡」
茜は被虐的な、一面をさらけ出した。その視線はどこか達観してて、でも何か期待を感じられる、純粋なのにどうしようもない、濁った光を称えていた。大生沢茜は、どうせ、巧にはここまで攻められないだろうし、なんて心の何処かで考えている。巧に対しては包み込んであげるような優しいお姉さんでいいじゃないかと、こっちのエッチな自分は、最悪、今、この時だけでいい。
そんな都合のいいことを考えながら。
「あ゛ー、だすぞー、ほら、しっかりと口開けろよっ、こんどは目隠し無しだからな、しっかり受け止めろよー?」
じゅっぽじゅっぽと、自分の胸で熱く、硬く膨張する、武智の肉棒を見て、愛おしくその可愛らしいお口を開ける。塔田巧のサイズではなく、武智光博のサイズに合わせて。
「そら、いくぜっ・あああ、おあああっ」
武智は絶頂の瞬間、茜の口へと、肉棒をねじ込んだ。
「んぐっ んむぅ♡」
それを、素直に茜は受け入れる。びゅくびゅくと、出る生臭い男汁を、まるで水分補給のようにごくごくと嚥下する。
「んっ……んっ……んっ……んっ……♡」
健気に飲み込み、吸い続ける。じっとりと、ねっとりと丹念な茜のお掃除奉仕。ぬっぽぬっぽちゅるちゅると、根元から吸い上げてあふれ出たお汁を美味しくいただく。残り汁をすすられる度に細かく武智の腰が震えて、いつの間にか前後の動きに変化する。顔にまたがり、がぽがぽと、茜の口が容赦なく冒される。武智の両手が、茜の頭を捕まえて、その下品でだらしなく開く彼女の口を存分に犯していく。やがて武智は腰の向きを変え、茜は仰向けになり、まるでチンコをしゃぶるためのポーズを強いられながら、胸を弄ばれつつも、ぐぽっ、ぐぽっと、茜は武智の肉棒を咥えこんでいた。
「あー、でるでる、茜の口と胸は最高だなぁー」
まるでAVを見ているようなお気楽な武智のテンション。
くにくにと茜の両乳首を捻りながらの、無造作な射精。
「んぶっちゅっずっ♡ んぷっんぐっんぷっ♡」
こぽこぽと武智の精液を飲み干しながら、茜は応えるのであった。
そして――
時計の針が十二時を過ぎる。
「んんっ! ぁんんんっ! ふわっあふわっ またいく、いっちゃう♡ 武智ぃ、武智ぃ♡」
それは、さっきどこかで茜が見た風景。わんわんスタイルで激しくぱんぱんされている雌犬が一匹。だが、武智によがらされているのは神田佳奈美ではなく、大生沢茜だ。
「許してぇ、ああぅ許してぇ。もう先にイかないからぁ、……ううぅぁんんっ! んんっ! あっぁ♡ そこいいっ、ああん、んあああん♡」
ばちゅん、ばちゅん、と、武智が腰を打ち込む度に、茜は懇願するが、彼女の体はまさに今現在進行形でびくびくと痙攣していた。
「へいへい、茜ちゃんよう。そんなこといってこのお股の締め付けはなんなの?。イってよね、何回もイってるよね。ほら、お尻を叩かれる度にきゅうきゅう締めちゃうのはダメじゃん? またイっちゃうじゃん、それダメじゃん?」
行為の間に入る、武智の声。途中ですぱん、と小気味のいい音が部屋に響く。発達した茜のお尻が武智の手の平に叩かれて震える。
「やだぁ、やだぁ♡ もうわかんないようぅ きゃぁん♡ あんあん♡」
ずっぷずっぷ、ぬっぷぬっぷと。
結果的に、二人が一線を越えるのにもはやなんの障害も無かった。大生沢茜は元々処女ではないし、ペニスを膣に入れることの喜びをしっている。ただ、知っていただけに、とでも言おうか。
「あっ、あうっ、あうあうあうっ た、たけち、また太くなってるぅ♡ ああすごい、そんなおく初めて ぁあっっううぅ……ううぅあんんっ! ……ぁあっ」
そんな、幸せそうに腰を振る茜の姿を。
「ほら、巧君のちんぽとどっちが大きいかいってみろ茜っ」
「そんなの、武智にきまってるじゃん、んぁぁぁまたいくぅぅぅ♡」
じゅぱじゅぱじゅぱん。
ぱんぱん、じゅぱん。
お互いの股間が作り出す、お下品音楽。
大生沢茜は泣いていた、涙がでるほど気持ちがいいと。腰を動かせば、動かすほど応えてくれる、優しくてタフな存在に。感謝と、奉仕の心を込めて。足を踏ん張り、お尻を上げて。一心不乱に腰を振り続ける。
それが、彼女の今夜の結末である。たわいも無い話から、股を開いて、さんざん指でイかされて、目隠しされて、おっぱいをいやらしく弄られ、舐られ、しゃぶられて、何回も何回も顔にかけられて、喉の奥に出されて、今まるでお漏らしの様にぬらした下半身から、ぱじゅぱじゅと、信じられないほどいやらしい水音を出しているその姿。
そんな姿に変わり果てる大生沢茜の一部始終を、結城姉妹は襖一枚隔てた隣の部屋で見ていた。
いや、見せられていた。武智の誘いによって、いいものが見られるからと、息を潜めて待っていて、と言われて。結城姉妹の目の前のモニタに映る光景は、音声なしの映像のみ。だが情報の伝達に過不足はない。一言一句隣の部屋から聞こえてくるのだから不足があろう筈も無い。
結城姉妹は部屋中の隠しカメラであられも無い友人の姿と知らない一面を見てしまう。
友人が、変わっていく様を見てしまう。
最初の内は、いったいなんのサブライズかと、二人は思っていた。
適当なところで、牧村や真堂が出てくるものだと思っていた。
だが現実はこれである。
「あっんんっ! ぁあっあっああ……あっぁ♡ おく♡ おくぅ♡」
だが、結城姉妹は思い当たってしまう。性別は違えど、これは、自分たちが望んだ答えなんじゃないかと。そんな考えがちらついてしまったら、もう目が離せない。
高村秋継を、
体を使って、二人で骨抜きにして、
自分たちの都合のいい存在にしてしまうなんて。
無理だと、結城東子は思う。
でも、目の前で大生沢茜が骨抜きどころか、どこからどう見ても立派な変態に仕立て上げられてしまった。
それでも無理だと、結城祥子も思う。
でも、武智光博には、その技術があることが証明されてしまった。
だが、結城姉妹はそんな、自分たちの後ろ暗い事情よりも、今まで隠し通してきた諦念も、自分たちの感情も思いも何よりも――。
今カメラの前で再び目隠しをされて、ぱんぱん責められている茜をよそに、隠しカメラに向かっていえーいみてるーと、ポーズをとる武智。
彼の存在に比べてみれば、自分たちが出来ればいいなとか思っていた関係構築は、なんとちっぽけなことかと、思い知らされてしまった。
と、同時に。
いまや手つなぎ騎乗位で、何処からどう見ても仲良しセックスだろこれ、といわんばかりの痴態を見せている茜を見て、
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ああ、別に他人に、ここまでしてもいいんだ。
なんて、
どうしよーもない、本当に碌でもない価値観が、結城姉妹に植え付けられてしまう。 やっかいな双子の運命が、動き出してしまう。捻れだしてしまう。武智光博というピースに引っかかり、誰とも噛み合ってなかった歯車が回り始めてしまう。
こうして、修学旅行二日目の夜が更けていく。
どこか歪んで、捻れながら。